時計や体温計、キーレスリモコンなどから外したボタン電池、「普通ゴミに出していいのか分からず、とりあえず引き出しにしまっている」という方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ボタン電池は種類によって捨て先が異なります。
アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池は電池工業会の「ボタン電池回収缶」、CR2032などのリチウムコイン電池は乾電池と同じ「乾電池回収箱」に出すのが正しいルートです。
この記事では、電池工業会の情報をもとに、種類の見分け方から絶縁の仕方、回収先の探し方まで手順に沿って解説します。
とにかく急いで捨て方だけ知りたい方へ:電池の両極(プラス・マイナス)をセロハンテープで覆い、家電量販店・時計店・カメラ店にある回収ボックスに入れれば、ほとんどのケースで解決します。
種類による違いは次の見出しから詳しく解説します。
ボタン電池を普通ゴミに出してはいけない理由
使用済みでも微量の電気が残っている
「もう使えなくなった電池なのに、そんなに危険なの?」と思う方もいるでしょう。
機器の中で「切れた」と感じるボタン電池でも、内部にはわずかに電気が残っています。
この状態で他の金属やほかのボタン電池と端子が接触すると、ショート(短絡)を起こして発熱し、まれに発火につながることがあります。
特にボタン電池は小さく軽いため、ゴミ袋の中で他の金属ゴミ(アルミホイル・缶のふた・クリップなど)と一緒になりやすく、袋の中で密着した状態のまま収集車に運ばれます。
両極を絶縁せずに捨てると、こうした接触事故のリスクが上がるため、多くの自治体や電池工業会が「捨てる前の絶縁」を呼びかけています。
自治体によって「不燃ごみ」「有害ごみ」など扱いが分かれる
ボタン電池の分別区分は全国で統一されておらず、自治体によって「不燃ごみ」として収集する地域もあれば、「有害ごみ・危険ごみ」として乾電池などと合わせて別回収する地域もあります。
お住まいの自治体がボタン電池を独自に回収している場合は、まずその指示に従うのが基本です。
自治体による回収が確認できない、または対象外とされている場合は、次に説明する電池工業会の回収ルートを利用します。
どちらのルートを使う場合も、両極の絶縁は共通の必須作業です。
【重要】電池の種類によって捨て先が違う
ボタン電池と一口に言っても、中身の化学的な種類はいくつかに分かれており、種類によって回収先が異なります。
ここを混同すると、店頭の回収缶に入れてもらえなかったり、逆に対象外の電池を紛れ込ませてしまったりするため、最初に確認しておきましょう。
アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池→「ボタン電池回収缶」
時計や体温計、補聴器などによく使われるアルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池は、一般社団法人電池工業会(電池メーカーなどが加盟し、電池の処理・リサイクルに関する情報発信や店頭回収の呼びかけを行っている業界団体)が家電量販店・時計店・カメラ店などに設置している黄色い「ボタン電池回収缶」の対象です。
持ち込む際は、お店の方に一声かけてから回収缶に入れるのがマナーとされています。
なお、現在国内で製造・販売・輸入されているボタン電池には水銀が使われていません。
「昔の電池は水銀が入っていて危険と聞いたことがある」という方もいるかもしれませんが、これは過去の規制以前の話で、現行製品には当てはまりません。
CR2032などのリチウムコイン電池→乾電池と同じ「乾電池回収箱」
キーレスリモコンやゲーム機のコントローラー、マザーボードなどによく使われるCR2032・CR2025・CR1220といった「リチウムコイン電池」は、見た目はボタン電池とそっくりですが、電池工業会の分類では乾電池と同じ「一次電池」のグループに入ります。
そのため、先ほどのボタン電池回収缶ではなく、家電量販店やスーパーに設置されている乾電池用の回収箱、またはお住まいの自治体の乾電池・リチウム一次電池の区分に従って出すのが正しい捨て方です。
見た目が似ているため、ボタン電池回収缶にリチウムコイン電池を入れてしまうケースは少なくありませんが、回収先の分別を守ることは、電池をきちんとリサイクルするうえで重要です。
次の見分け方を参考に、手元の電池がどちらのグループかを確認してみてください。
見分け方:電池の型番の頭文字を見る
電池本体には、必ず型番がアルファベットと数字で刻印されています。この頭文字を見れば、どちらのグループかを簡単に判断できます。
| 型番の頭文字 | 電池の種類 | 捨て先 | 代表的な型番例 |
|---|---|---|---|
| LR | アルカリボタン電池 | ボタン電池回収缶 | LR44、LR41 |
| SR | 酸化銀電池 | ボタン電池回収缶 | SR626SW、SR44 |
| PR | 空気亜鉛電池(補聴器用) | ボタン電池回収缶 | PR41、PR48 |
| CR | 二酸化マンガンリチウム電池 | 乾電池回収箱・自治体ルール | CR2032、CR2025、CR1220 |
| BR | フッ化黒鉛リチウム電池 | 乾電池回収箱・自治体ルール | BR2032 |
それぞれ代表的な型番の現物がこちらです。手元の電池と見比べて確認してみてください。
型番の刻印が薄くて読み取りにくい場合は、電池が入っていた機器の取扱説明書や、購入時のパッケージに記載の型番を確認する方法もあります。
どちらか判断がつかない場合は、乾電池回収箱に入れるか、自治体の窓口に相談すれば取りこぼしなく処分できます。
正しい捨て方の手順

- 電池の種類を確認する:
型番の頭文字(LR/SR/PR ならボタン電池回収缶、CR/BR なら乾電池回収箱)をチェックする - 両極を絶縁する:
プラス面・マイナス面の両方をセロハンテープやビニールテープで覆う。片面だけでなく両面を覆うのがポイント - 回収先を探す:
お住まいの自治体がボタン電池・乾電池を回収している場合はそちらに従う。していない場合は、近くの家電量販店・時計店・カメラ店の回収ボックスを利用する - 店員に一声かけてから投入する:
回収缶は店舗のレジ付近や入口付近に設置されていることが多い。持ち込んだ製品をその店で買ったかどうかは問われないのが一般的
近くの回収協力店が分からない場合は、電池工業会のボタン電池回収協力店検索から郵便番号や住所で調べられます。
家電量販店だけでなく、時計店やカメラ店が協力店になっていることもあるため、近所に電器店が少ないエリアでも見つかりやすくなっています。
捨てる前に知っておきたい注意点
複数の電池をまとめて捨てるときも1個ずつ絶縁する
時計の電池交換をまとめて行った、体温計と電卓の電池を同時に交換したなど、複数のボタン電池が一度に出ることもあるでしょう。

この場合も、面倒でも1個ずつ両極を絶縁してから、まとめて同じ袋や容器に入れてください。
絶縁していない電池同士を無造作に袋へ入れると、輸送中の振動で端子同士が接触し、ショートの原因になります。
液漏れ・膨張しているボタン電池は個別に扱う
電池を交換しようとしたら、電極のまわりに白い粉や液体が付いていた、電池がふくらんで機器から外しにくかった、というケースもあります。
これは電池内部の化学変化が進んでいるサインで、通常の使用済み電池よりも発火・化学的な刺激のリスクが高い状態です。
液漏れ・膨張している電池を見つけたら、素手で液体に触れないようゴム手袋などを着用したうえで、他の電池とは別に1つずつビニール袋に入れ、その上から両極を絶縁テープで密封してください。
回収缶にそのまま入れず、持ち込み先の店舗や自治体の窓口に「液漏れ・膨張している電池がある」と伝えて対応を相談すると安心です。
子どもやペットの誤飲に注意する
ボタン電池・コイン電池は、小さな子どもが誤って飲み込む事故が全国で報告されています。
特にリチウムコイン電池は電圧が高く、体内で周囲の粘膜を傷つけるリスクが指摘されているため、電池工業会も注意を呼びかけています。
捨てる前も、回収に出すまでの一時保管中も、子どもの手の届かない場所に置くようにしてください。
万が一誤飲した可能性がある場合は、様子を見ずにすぐに医療機関を受診してください。
モバイルバッテリーやスマホの内蔵電池とは捨て方が違う
ボタン電池やコイン電池は、一度使い切ったら再充電できない「一次電池」です。
一方、モバイルバッテリーやスマホに内蔵されている「リチウムイオン電池」は繰り返し充電できる「二次電池」で、構造も危険性の性質も異なり、捨て方の窓口も別になります。
モバイルバッテリーの捨て方については「モバイルバッテリーの捨て方完全ガイド」で詳しく解説しています。
ボタン電池の捨て方に関するよくある質問
- ボタン電池は何ゴミに出せばいいですか?
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自治体によって「不燃ごみ」「有害ごみ」など区分が異なります。まずはお住まいの自治体のごみ分別ページで「ボタン電池」の扱いを確認してください。自治体で回収していない場合は、家電量販店・時計店・カメラ店にある電池工業会の回収缶(アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池)、またはCR2032などのリチウムコイン電池は乾電池回収箱に出します。
- CR2032はボタン電池回収缶に入れてもいいですか?
-
電池工業会の分類上、CR2032は「リチウムコイン電池」に該当し、ボタン電池回収缶の対象ではありません。乾電池と同じ回収箱、またはお住まいの自治体の乾電池・リチウム一次電池のルールに従って捨ててください。
- 絶縁するテープはセロハンテープでいいですか?
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はい、セロハンテープ・ビニールテープ・養生テープなど、端子の金属部分をすき間なく覆えるものであれば問題ありません。粘着力が弱く途中で剥がれそうなものより、しっかり貼り付くテープを使い、プラス面・マイナス面の両方を覆うようにしてください。
- 近くに家電量販店や時計店がない場合はどうすればいいですか?
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電池工業会の協力店検索サイトでは、家電量販店・時計店・カメラ店以外にも、スーパーやホームセンターが協力店として登録されている地域があります。近隣で見つからない場合は、お住まいの自治体の有害ごみ・不燃ごみ担当窓口に相談してください。
- ボタン電池を分解して中身を取り出しても大丈夫ですか?
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自分で分解するのは避けてください。内部の化学物質が漏れ出すと皮膚や粘膜を傷つける危険があるほか、分解中に工具が端子に触れてショートする可能性もあります。分解はせず、そのまま絶縁して回収に出してください。
- 時計店や薬局で電池交換をしてもらった場合、古い電池は返してもらえますか?
-
店舗によって対応は異なりますが、多くの時計店や電器店では、電池交換で外した古いボタン電池をその場で回収してくれます。返却を希望する場合は、交換時にスタッフへその旨を伝えてください。
まとめ:種類を確認し、絶縁してから正しい回収先へ
ボタン電池の捨て方は、まず型番の頭文字で種類を見分けることが最初のポイントです。LR・SR・PRで始まるアルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池は電池工業会の「ボタン電池回収缶」、CR・BRで始まるリチウムコイン電池は乾電池と同じ「乾電池回収箱」または自治体のルールに従います。
どちらの場合も、捨てる前にプラス・マイナス両極をテープで絶縁することが共通の必須作業です。絶縁を怠ると、ゴミ袋の中で他の金属や電池と接触してショート・発熱する危険があります。子どもの誤飲にも注意しながら、正しい手順で処分しましょう。





